ホクト株式会社
HOKTO Corporation
業種:水産・農林・鉱業
従業員数:1000〜3000人
※ このページ内における会社情報や所属・役職などは 取材当時のものです。
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定年間近の歳で変われるとは思わなかった

直属の上司と部下のペアでのトレーニングでしたが、特に上司の古賀さんは定年間近のタイミングでした。「今さら、研修?」とは思いませんでしたか?

古賀 還暦を迎えて、今、定年まで残り2年です。「この歳になって、変われと言われても…」と思いました。「変わろう」という積極的な気持ちもありませんでした。コーチにも思わず「自分、変われますかねぇ」と聞いてしまいました。でも、トレーニングが始まってすぐ、部下の阿部から「上司は(悪い意味で)変わらないと思う」というフィードバックを受けたんです。阿部は安心して仕事を任せられる、いわゆる“できる所長”です。信頼しています。その阿部に言われたことで、雷に打たれたというか、本当に愕然としました。自分は良かれと思って厳しくやってきたつもりのことも、部下にとってはただの頑固でしかなかったり、全然伝わっていなかったんです。

阿部 上司全般に関するアンケート調査だったので、古賀部長だけを指して言ったわけじゃないんですけどね(笑)。

最初に部下からの率直なフィードバックを受け、トレーニングに対する意識が変わったんですね。部下の阿部さんはどうですか?トレーニングで印象的なことはありましたか?

阿部 私は、もっと従業員が「ここで働いていてよかった」と思える職場にしたいとずっと思っていました。でも、それを上司に言うと、どの人からも「甘いんじゃない?」「そんなことより、きのこの管理をしっかりやれ」と言われ続けてきました。生産部ですからね。だから、自分は自分、上の人たちがいなくなったら、自分の思うやり方を広めていけばいいと半ば諦めていました。

そんな経緯から、Half Time(グローストレーナーとの面談)にこの問題について話題になった時、グローストレーナーにも同じことを言ったんです。「上司は変わらないですから」と。その時、「じゃあ、そのままで阿部さんはいいですか?」と言われたんです。私もこれまでのことがあるので、「いや、いいじゃないですか。言ったってわかんないやつにはわかんないでしょ?」と言い返しました。ところが、グローストレーナーは「部下にも同じことを言うんですか?そのまま、あなたの今とっている、その態度を見せるんですか?」と返してきて。言葉に詰まってしまいました。

そのあとは?

阿部 グローストレーナーの言葉がずっと引っかかっていたので、同じセンターの同僚に聞いてみたんです。「とはいえ、上司に提言するなんて、しんどいでしょ?」って。そうしたら、「でも、上司とちゃんと向き合ったら、所長、もっと仕事が面白くなるんじゃないの?」と言われたんですよ。驚きました。それでも、食い下がって「でも、しんどいぜ?」と聞き直したのですが、「しんどいかもしれないけど」と再度、主張されまして。自分はやることをやっていなかったと気づきました。この出来事には、ハッとさせられましたね。

「俺の話しを聞け」と全否定していた

トレーニングを受ける中でリーダーとして自分に必要なこと、課題は何だと思いましたか?

阿部 今言ったように、グローストレーナーとのやりとりもあって、「上司と向き合う・話す」ということですね。

古賀 私は、まずは「部下の話を最後まで聞く」ということだと思いました。事務所に行くとみんな、私が怖いのか嫌いなのかいなくなってしまう。実際、これまでは上からの指示をそのまま下に伝えて実行させられれば、会社の中で勝ち組になれました。だから、部下の反応や話しの筋道がちょっとでもおかしいと思うと、すぐに「待て待て」と話しを止めていました。「俺の話しを聞け」と全否定していたと思います。多分、自分の「こうだ」という固定観念に囚われていたんでしょう。あと、いちいち、部下の言い分を聞いて、それを上司に問い直したりするのが、正直、面倒臭かったのだとも思います。話しを聞く上司ではありませんでした。

具体的には、どのようにそれらの課題を克服していきましたか?

古賀 ミーティングの際に「GOOD」「BAD」「NEXT」というキーワードやフォロワーシップを意識することを教わったので、実行してみました。私の場合、悪いところを見つけて指摘するのは得意。でも、それで終わってしまう。そこで、何度同じことを指摘しても改善が見られないセンターで、事務員も含めてミーティングを開くことにしました。みんなで解決策を考えるんです。ただし、所長はあえて参加させない。自分も「絶対、今日は意見を言わない」と決めて、後ろの席でひたすら聞くことに徹する。結果、これまでは何かと上司のせいにしていたのに、「上司ではなく、自分たちで管理・責任を持つべき」という意見が部下から出てきて、教わったことの効果にびっくりしました。

任せられるようになり、精神的に楽に

実際にトレーニングを受けたあと、チームはどう変わったと思いますか?

阿部 チームよりも私自身が一番変わったんじゃないかな。自分のセンターのメンバーから「あんた、変わったよ」と言われました。「具体的にどこが?」と言われると難しいんですが。古賀部長は、私から見てもトレーニング後は話しをものすごく聞いてくれるようになりました。理解しようと努力してくれているのがわかる。今は、以前よりずっと「一緒に仕事をしている」という感覚があります。

古賀 実は、阿部が所長をしているセンターを含む4つのセンターで、若い社員を面談させてもらいました。阿部のところのメンバーだけ「仕事が楽しい」と言ってきました。単身赴任している者からは「帰省旅費を毎回出してくれ」といった要求まで出てきて、かなり率直にモノが言える職場に変化したのではないでしょうか。阿部が変わったので、所員も変わった。上司が変わったところは、本当に部下も変わるんだと実感しましたね。他のセンターは、不平不満や他責の意見がまだ多かったです。でも、不満すらこれまでは正直に言えなかったと思うので、やっと、みんな本音を言えるところまで変わってきたのかなと思います。

Teambox LEAGUE は、お二人に取ってどういう意味がありましたか?

阿部 成長のきっかけになりました。リーダー論や組織論の本をかなり読むようになり、他のメンバーにも勧めたりしています。これまでもそれなりにメンバーとのコミュニケーションはしていましたけれど、本の内容を話題にしたり、メンバーと話す内容がグレード・アップしました。

古賀 私はちょっと違って、精神的にむしろ楽にしてもらいました。もともと考え込む性格で、心配のあまり、夜中にきのこの様子を見に行ったり、土日にも行ったり。それで、部下に「任せてもらえないのか」という不安や不満を抱かせてしまっていました。九州男児で中高と男子校育ち。男は一人で全部仕切る代わりに、全部責任も持つという文化の中で育ってきたせいか、勝手に心配して、勝手に体調を壊したりしていた。でも、今は、所長代理の人の意見を聞いて任せられるようになりました。部下だけでなく、自分も心配から解放されて楽になりました。

最後にリーダーとして、これからどういう理想を持っているか、また、それにどう向かっていくか教えてください。

古賀 やはり、「批判を口にしないようになる」ことが理想です。一方で、会社勤めには終わりがあるので、2つやりたいことがありますね。阿部を部長にしたいということと、定年後はここで学んだことを生かした仕事をしてみたいと思います。

阿部 自分はリーダーシップや牽引する力はあるほうだと思います。でも、「メンバー自身に考えてもらう」ところまでは、まだできていません。それができるようになることが、今の課題です。

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