株式会社リクルート
マーケティングパートナーズ
業種:サービス業
従業員数:3000人以上
※ このページ内における会社情報や所属・役職などは 取材当時のものです。
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株式会社リクルート マーケティング パートナーズ様が2017年にTeambox LEAGUEを導入を決めた理由と導入後の組織の変化について、同社の執行役員であり、まなび事業本部統括部 統括部長の徳重浩介様に伺いました。

マネジャーを変えるカンフル剤が必要だった

徳重さんは、事業開始5年で累計会員数64万人(17年度)と急成長を遂げているオンライン学習サービス「スタディサプリ」の法人向け営業を統括しています。成功している事業であり、特に問題はなさそうです。なぜ、わざわざTeambox LEAGUE(TBL)を導入したのですか?

スタディサプリのようなインターネット・サービスは、常に新しい商品が生まれやすい状況にあります。今後、僕らの商品を真似たものや似たサービスで価格はもっと安いものが出てくるなど同質化の段階に入っていくでしょう。特に国内マーケットは人口減でそもそも競争が激しくなることもわかっています。そういう中では、情報を集めて徹底的に分析して…といったこれまでの戦略では事業成長できないという危機感がありました。

例えば、似たようなサービスをより低価格で提供、営業力もある競合他社が出てきたら、勝てませんよね?だから、もっと営業にも顧客優位性が必要だと思いました。マーケットが厳しくなってくるからこそ、誰か一人の強力なマネジャーが引っ張って売り切るような営業ではいけません。非連続での成長を望むとしたら、メンバーがお互いに刺激しあって1+1が10になるような効果を引っ張り出せる、次元が一段違うスキルを持ったマネジャーがより必要でした。

僕らの事業は1年を通じて学校に使っていただく年度ビジネスです。1年間を通して、リーダーシップを持って率先垂範したり、メンバーのモチベーションを鼓舞したり、フォローしながらやり続けていけるマネジャーが必要です。そのために、TBLはマネジャーの意識や組織全体を変える良いカンフル剤になるのではないかと思いました。

具体的に、TBLのどんな部分に特に魅力を感じたのでしょう?

「強いリーダーで能力が高ければいい」といった考え方ではない点、また、理論だけでなく、実践を重視し、単純に座学で理解するものでないという点ですね。それだけに相当、参加者はコミットしないと身につかない。しかし、コーチに伴走してもらいながら教えてもらえるコーチング・サービスだったので、お願いしました。管理型のマネージメントを求めているのであれば、それらは体系化・言語化しやすいので、自前でベテランマネジャーが自ら教えて行けばいいじゃないかという意見もよくありますが、それだと、その時点で既にその会社における成功体験かつ、自己流も多く、俗人化して、客観視できないので、効率も悪い。きちんと体系的なリーダーシップの理論を全員が、理解したうえで、自分たちの経験やマーケット、顧客に沿った具体的な実践ナレッジをぐるぐる回して昇華していき、初めて、腹落ちする。そういうプロセスを本気で作っていかないと、組織としてのリーダーシップは何なのかという共通言語化がなされていかない。結局は何も変わらないと思います。

いくら個々で結果を出しても意味がない

トレーニングは「つながり」というテーマで行われたそうですね?

はい。組織としてのつながりを強めるということなのですが、実は、最初自分では、これが自分たちの課題だとはっきり言語化できていませんでした。伸びている事業というのは、自分がとにかくがんばっているというだけではなく、他部署を含めた周りのいろいろな人から後押しされている感覚が必ずあるものです。チームにそういう雰囲気を作りたいなとは思っていました。だから、最初の分析調査でチームボックス側からテーマとして「つながり」を示してもらった時に「すごいな」と。自分が何となく思っていたことをドンピシャで言い当てられたので、これはもう本気でやりたいなと思いました。

「つながり」が薄かったのですか?

つながりがなかったわけではありません。むしろ、非常に優秀なメンバーが集まっているので、チームは心地よく仕事をできる状態だったと思います。実際、組織としての状態は、TBLを導入する前からリクルートグループの中でも非常に評価されていました。360°サーベイでも、会社の営業の中で一番の評価でした。だけど、まだ、つながりは上辺だけになってしまっているなと感じていました。お互いに一歩踏み込めないんですね。今いるマネジャー陣は本当に優秀で、そもそもコミュニケーション能力は高いんです。これまでに他の事業で成功体験を積んでいる人がたくさんいる。でも、それだけに、逆にみんなで、意識して一つになっていかないとバラバラになってしまうとも思いました。

いくら個々で結果を出していても、あまり意味がない。もっとマネジャー陣が自分でも予想した以上の結果を出していくには、メンバーがお互いに化学反応を起こすような作用がないとマーケットに対してインパクトを与えられません。それには、事業としての組織力を最大化する為の物理的、機能的な組織設計に加え、もっとお互いの精神的な結びつきが必要でした。

トレーニングを終えて、どんな風にチームは変化しましたか?

みんなが痛みを伴いながらも自分をさらけ出す機会をたくさん持ったことで、つながりはかなり理想形に近づいたと思います。具体的な変化としては、「GOOD」「BAD」「NEXT」など振り返りの方法論やリーダーシップに対する概念を共通言語化できたことで、“リーダーを育成するマネジャーの育成”ができるようになったこと。これが、一番の変化じゃないでしょうか。

これまでは優秀なグループマネジャーも、最後は営業に同行し、いわば尻拭いすることで業績を上げていました。けれども、振り返りの方法を率先して自分がやって見せ、教えることで、間接マネージメントができるようになり、マネジャーの下のチームリーダーが独り立ちできるまでになりました。おかげで、マネジャーがチームリーダーを兼務するようなことは、今回の人事で全部なくし、チームリーダーの数すなわちマネジャー候補を増やすこともできました。マネジャーの営業工数が減って、仕掛けることに当てる時間が増え、メンバーの育成にもつながったわけで、まさに生産性が上がった。「働き方改革」というよりも、「マネジメント改革」の方が生産性上がるの早いと思いますよ(笑)。

そこまで早く組織が変化する企業は珍しいと思います。「リクルートだから」できたのでしょうか?

マネジャー自身が「次のリーダーを育成しよう」というスタンスにガラッと意識を変えたのが、大きいと思います。何とかこの場をやりすごせばいいよね、じゃない。みんなが身にしみて「リーダーが変わると組織が変わる」ことを、トレーニングを通じて痛感し、リーダーが変わっていくことの重要性を感じたからじゃないかと思います。

強制的にネクストアクションを求められる

徳重さんご自身もトレーニングを受けました。ご自身の変化は?最初はみんなそうですが、徳重さんも他責傾向があったとコーチに聞いています。

自分こそリーダーとして変わらないといけなかったのですが、最初は当事者意識よりも、導入を決めた当人なので「みんながこのトレーニングをどう感じたのか?」の方が気になってしまっていましたね。でも、Half Time (=コーチとの1on1の個人面談) の場でコーチから「Locker Room(=集合トレーニング)で他人の話を聞いている時の自分の様子」を、録画したビデオで見せられたのですが、全く傾聴できていなくて、態度も悪かったんです(苦笑)。実際、その時のことを思い返すと「何言ってんだ?この人」みたいに思って聞いていましたしね。それをコーチに指摘され、自分でもはっきり自覚したとき、そこからはもう本当に行動を変えました。

まさに、TBLで習う「恥と勘違い」を知った瞬間だったと思います。恥をかくことを恐れ、「自分はできている」「相手が悪い」と勘違いする。相手にも悪いところはあるから、自分だけ批判されると「違う!」と思ってしまうものですが、そこはぐっと飲み込む。おかげで、セルフマネージメント含め、自分のマネージメントのレベル感もちょっと変わった気がします。まだまだですが、自分に成長の伸びしろがあるとわかったのも良かったです。

徳重さんにとってTBLを受けて、一番の学びや得たものは何ですか?

学びはもちろんですが、うれしさと感謝が実を言うと一番大きいです。僕も自分のことを話してさらけ出す機会があって、それ以降、関係が変わり、メンバーはそれぞれこんなに素敵な人たちなんだとわかってうれしくて、もっとみんなとつながりたいなと思いました。より自分の言葉でメンバーと話せるようにもなりました。自分を出しても大丈夫だという安心感ができたから、話せるようになったんだと思います。これは本当に一番大事なことです。お客さんと対峙している時、もう一歩踏み込むとかがんばれるかは、チームメンバーに対する安心感や絆、信頼感があるかないかが本当に大きい。信頼感があれば踏み込める。その時は小さい差に思えても、振り返ると大きな差になります。

最後に「Teambox LEAGUE」は、どういうものだと思いますか?

最初は『ドラゴンボール』になぞらえて、1日で1年分の修行を積める「精神と時の部屋」なんて言っていました。今は、ずばり「自己成長から逃げられない場」ですね。自分の恥と勘違いに気づかせてくれ、「強制的にネクストアクションを求める場」でもあります。理論と実践の両輪で、自らのリーダーシップを磨くことができ、組織変革を起こしてくれるのがTBLですね。他部署も共通する課題を抱えていると思うので、彼らにも勧めています。

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長期間、連続的に理論と実践を繰り返す、
リーダー育成トレーニング
管理職・次期リーダー層
約6ヶ月を1シーズンとして実施
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