Special Interview Vol.1 リーダーが変われば、組織が変わる。 チームボックスとロイヤルカスタマーHOKTOが共に歩んできた人と組織の作り方

食品きのこの生産・販売において国内有数の実績を誇るホクト株式会社では、2016年よりTeambox LEAGUEを導入いただいています。グループ従業員4000名以上の大企業である同社がTeambox LEAGUEを導入した背景・理由とは何か。Teambox LEAGUEの実施によって組織にどのような変化が生まれているのか。同社代表取締役社長 水野雅義氏とチームボックスの中竹竜二の対談を実施し、変わりつつある同社の企業文化やリーダー層の意識変容などについて詳しくお聞きしました。

Profile

ホクト株式会社 代表取締役社長
水野 雅義氏
1965年生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、ホクト株式会社へ入社。同社九州支店長、専務取締役きのこ生産本部長、専務取締役きのこ販売本部長、取締役副社長などを歴任し、2006年に同社代表取締役に就任。2022年11月より長野商工会議所の会頭も務めている。
株式会社チームボックス 代表取締役
中竹 竜二
1973年生まれ。早稲田大学卒業、レスター大学大学院修了。三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督就任。自律支援型の指導法で大学選手権二連覇。日本ラグビーフットボール協会初代コーチングディレクター、U20日本代表ヘッドコーチを経て、日本代表ヘッドコーチ代行兼務。2018年(一社)スポーツコーチングJapan設立。著書『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』など多数。

社長就任当初から
目指していた
フォロワーシップ型
組織の実現を目指して

中竹 竜二(以下、中竹): ホクトさんとは本当に長くお付き合いさせていただいていますが、最初に当社のTeambox LEAGUEを導入いただく際には、どのようなことを期待されていたのでしょうか?

水野 雅義社長(以下、水野社長): 私の父である先代の会長が亡くなった直後の話になりますが、社員が仕事のミスを隠すことで問題が大きくなるタイプのトラブルが社内で頻発していました。以前の当社であればトップである父が社員を一喝して終わらせていたと思いますが、それでは同じことが繰り返されるだけのような気がしたので、その当時から「何かを変えなければならない」と感じていました。

また、当時の当社はリーマンショックの影響による世の中の内食志向の高まりを受け、売上・利益共に絶好調でした。正直な話、いい時は何をやっても上手くいくものですが、会社の業績が落ちてくるとそうは行きません。私は社員に対して「自分たちで考えてみなさい」と自走を促すタイプですが、業績が落ち込んだ時に社員たち自身が自分で考えて状況を打開できるような組織にはなっていませんでした。そこに関しても何かを変えていく必要を感じていたのです。

そんな時にチームボックスさんのトレーニングの話を伺い、中竹さんとお会いしたのです。中竹さんのフォロワーシップに関する考え方をお聞きして「まさにその通りだな」と共感できたほか、カリスマ経営者である父の後を継いだ私と清宮克幸監督の後を継いで早大ラグビー蹴球部の監督となった中竹さんの境遇が似ていたんですよね(笑)。そのような意味でも当社を社外から変えてくれる適任者だなと思い、まずは特に多くの課題を抱えていた営業部門からTeambox LEAGUEを導入させていただきました。

社員の成長を信じて
待つことを念頭に置き、
トレーニングを実施

中竹: チームボックスが提供しているTeambox LEAGUEは、他の人材会社や研修会社が提供しているもののように「業績や売上を向上させます」という研修サービスではなく、リーダー層を中心とした社員の方々の成長やマインドセットの変容を促すことを目的としています。それだけに経営層の方々の理解を得にくい部分もあるのですが、水野社長は当社のサービスにどのような価値を感じられているのでしょうか。

水野社長: 現在は国内の労働人口減少もあり、多くの企業が人材確保に苦労している状況です。そうした中でも「ホクトで働いてみたい」「ホクトで働き続けたい」と思ってもらえるような環境を作っていかなければなりません。以前のようなトップダウン型の社風、上司や先輩の言うことさえ聞いていればOKという環境では、誰にも魅力を感じてもらえませんからね(笑)。そのような組織文化を変えるきっかけを与えてくれるのがTeambox LEAGUEのトレーニングであると考えています。

先ほどもお話しした通り、今までの当社には「上長の指示は絶対的なものである」という雰囲気がありました。Teambox LEAGUEのトレーニングを浸透させることにより、リーダーが一人ですべてを決める環境ではなく、リーダーが旗振り役として指針を示しながらも、部下であるメンバーたちと話し合いながら方向性を決めていけるような文化が醸成されることを期待しています。

中竹: 実際にTeambox LEAGUEに参加したリーダー陣の変化を感じられることはありますか?
水野社長: 別の会社のリーダー研修を受けてもまったく変化しなかったリーダーたちが、Teambox LEAGUEに参加して以降、大きく変わり始めていると感じます。もちろん、すべてのリーダーがガラッと変われたわけではなく、中には変化の過程で苦しんでいるリーダーもいるのですが、こうしたタイプのトレーニングを受けることで多くの社員の意識が変容し、成長できる可能性があることを実感しました。
中竹: 水野社長は様々な場面で、自ら積極的にTeambox LEAGUE特有のキーワードやフレーズを使っていただいている印象があります。「リーダーが変われば組織は変わる」という言葉も度々発信いただいていますが、実際に「その通りだな」と感じることはありますか?
水野社長: それは間違いなくありますね。トレーニングを受けたリーダーが率いる組織のビフォー・アフターを見ていると特に感じることが多いです。ただ、先ほどお話ししたように、トレーニングを受けたすべてのリーダーが完璧に変われているわけではありません。人間、誰しも失敗するものです。たとえ一度や二度失敗したとしても、メンバーを信頼しつつ、自分が変わろうとしている姿勢を見せていくことも大切だと思います。
中竹: 水野社長ご自身が社員の皆さんを一番信頼されていると感じます。ホクトさんで最初にTeambox LEAGUEを実施した際、なかなか結果が出なかったので、私が「結果が出るまでには時間がかかります。もう少し待ってください」とお話ししたら、水野社長は腹を括ったように「わかりました。私はもう何も言いません」と仰いました。
水野社長: チームボックスさんのトレーニングに関しては「社員の成長を信じる」ということを念頭に置いて実施しています。社員の性格や特徴を理解している私たちがトレーニングについて横槍を入れることは良くないと思っていますし、チームボックスさんのことを信頼してお任せしている部分もありますからね(笑)。

アンラーンを根付かせることで
社員の視野を広げたい

中竹: チームボックスが大切にしている考え方の一つにアンラーンがあります。今までに培ってきた成功や経験、価値観などを一旦脇に置いて学び直すことですが、現在、ホクトさんの多くのリーダー陣がTeambox LEAGUEを通してアンラーンを実践しています。このアンラーンの考え方が根付くことで、貴社にどのような変化が起こると考えていますか?

水野社長: 私は当社をもっとフラットな組織にしたいと考えています。新入社員と入社20年目のベテランであっても対等な立場で話し合い、目の前の課題や問題に対処していけるような組織が理想です。そのためには新入社員や異動者が新しい部門・組織に溶け込みやすいような環境が必要になると考えています。

そのような環境を作る際に重要になるのがアンラーンだと思います。あらゆる社員が溶け込みやすい組織・環境を作るには、固定観念だけで人を見るのではなく、一人ひとりがまっさらな気持ちで人に接していくことが大切になるからです。私の印象ですが、当社の社員は決して視野が広い人間の集まりではありません。アンラーンのような考え方を根付かせることで、今までは前方180度しか見えていなかった視野を、10度でも20度でも広げてほしいと期待しています。

中竹: Teambox LEAGUEの中でアンラーンに加えて難しいのが、自分の弱さを受け入れて表明する「さらけ出し」です。私の印象にはなりますが、貴社の皆さんは徐々に「さらけ出し」ができてきているように思います。水野社長の実感としてはいかがですか?

水野社長: 当社にはプライドが高い人間も多いので、「さらけ出し」を苦手にしている社員も多かったのではないでしょうか。たとえば部署異動をして新しい仕事にチャレンジする際にも、自分一人で解決しようと考えてしまうタイプです。わからないことがあれば一言「教えてください」と質問すれば済みますし、専門家に頼ることもできるんですけどね。

ただ、少しずつではありますが、プライドを捨ててフラットなコミュニケーションを取れるリーダーが増えてきた印象もあります。最初のうちは「なんでこんなことをやらなきゃいけないの?」と言っているリーダーも少なくありませんでしたが、一人ずつでもそんなフラットなリーダーが増えていけば、この会社も変わるだろうと思います。

中竹: 私が特に印象に残っているのは生産現場の皆さんのトレーニングです。リーダーとして「答えをいう」のではなく「問いかけ合う」に切り替えていくトレーニングをさせていただきました。最初は皆さん苦しんでいたようですが、真面目な方が多いこともあり、今では意欲的に取り組んでいただいています。

水野社長: 生産現場の社員は特に素直ですからね。素直で真面目な分だけ「今のやり方はこれで決まっているから」となると、それ以外のやり方に考えが及ばなくなってしまう社員が多いのです。

その中でも「変わらなければ」という気持ちを持っているリーダーには変化が見られますし、一方では切り替えに苦労しているリーダもいます。人によってある程度の差が出るのは仕方のないことですが、社内でも変化するリーダーと変化しないリーダーの評判が明確に変わってきたりもするので、変化に躊躇しているリーダーは、変わっていく同僚たちの姿を意識しながら頑張ってほしいと思っています。

そのような感じで現職のリーダーたちが次第に変わっていけば、将来リーダーのポジションを受け継ぐメンバーたちも「自分もこうならなければ」と考えるようになるはずです。こうしたサイクルで新しい考え方を身に付けたリーダーが会社の中に増えていけば、会社組織そのものが大きく変化していくでしょうね。もちろん、そこに到達するにはある程度の時間がかかることも承知しています。

私たち自身が「変わりたい」「変わるんだ」という
気持ちを持つことが大切

中竹: 水野社長は忍耐力がありますよね。もともと待つことが苦にならないタイプでしょうか? じっくり腰を据えて社員の成長を待つことができる経営者の方は意外と少ないんですよ。

水野社長: いえいえ、全然得意ではありません。ある役員からは「社長は瞬間湯沸かし器ですよね」と言われたことがあるほどです(笑)。あれこれと口を出さずに辛抱するというのは、私が意識的に取り組み続けていることの一つです。

実際、このトレーニングをスタートする際に「まずは社長である私自身が変わる必要がある」と感じたのです。また、横から何か言いたくなったとしても、それを口にしてしまうと真摯な姿勢でTeambox LEAGUEに取り組んでいるメンバーたちに対しても失礼になりますからね。トレーニング以外のことに関しても、営業には営業本部長がいますし、生産には生産本部長がいます。基本的には彼らに任せていますし、何か忠告が必要な際にも「何でこうなっているんだ?」といった否定からはいるような言い方だけはしないように心掛けています。

中竹: ホクトさんとは当社で言うところの「ファミリー」として長年一緒に取り組ませていただいていますが、最後に改めてチームボックスのサービス、Teambox LEAGUEについての感想をお聞かせいただければと思います。

水野社長: 一言で言えば、組織を変えるきっかけや、私やリーダー陣の考え方を変えるきっかけを作っていただいていると感じます。あくまでも実際に変わる・変えるのは当社自身ですからね。

トレーニングを始めて以降、当社のリーダーたちが、チームボックスさんの「『わかる』から『できる』へ」とか、「リーダーが変われば組織が変わる」という言葉を素直に口にするようになりました。その言葉はリーダーたちを通して部下であるメンバーに伝わり、会社全体に浸透してきていると感じますし、これから入ってくる新入社員たちにも伝わっていくはずです。そのような循環を通して少しずつ会社の組織文化が変わっていくのでしょうね。

中竹: 私たちのサービスが「会社を変えてくれる」ではなく、あくまでも「きっかけ」であるとお話しいただきましたが、まさにその通りであり、私たちのサービスの本質を捉えていただいていると感じました。
水野社長: 実践するのは私たち自身ですからね。チームボックスさんのトレーニングがどれだけ素晴らしかったとしても、私たち自身が「変わりたい」「変わるんだ」という気持ちを持っていなければ、変わることはできないと思います。

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